第43回 KYOSHO マリンカップ in 王禅寺レポート

2025.7.20  神奈川県川崎市「ベリーパーク in フィッシュオン! 王禅寺ジロー池」

第43回 KYOSHO マリンカップ in 王禅寺レポート

2025年7月20日(日)、神奈川県川崎市にある「ベリーパーク in FISH ON! 王禅寺」にて、今回で43回目となるKYOSHOマリンカップを開催。この日は真夏日で、強烈な日差しが容赦なく降り注ぐ一日となりましたが、参加者の皆さんの水物R/Cにかける熱い情熱は、その暑さに決して負けることはありませんでした。通常のレースに付きまとう張り詰めた緊張感とは違い、マリンカップでは選手一人ひとりが自分のペースで満喫し、和やかな雰囲気ながらも真剣な眼差しで水面と向き合っていました。今回のレースは全3ラウンドを実施し、王禅寺の煌めく水面に忘れられない夏の思い出を刻みました。

EP-ST(ストック)クラス


初めてのレースにも最適で、550モーターと7.2Vニッケル水素バッテリーの織りなす最高速度は約30km/h。
この速度域だからこそ、初心者の方でも安心してマシンを操り、レースの醍醐味を味わえる絶妙なバランスを生み出しています。
しかし、このクラスの真の魅力はユニークな特別ルール。上位入賞者には次回以降の大会でハンデが課せられ、最終結果を予測不能なドラマへと変貌させます。だからこそ、初心者でも上位入賞のチャンスがある一方で、ベテラン勢にとっては歯応えある挑戦となっています。

14名の選手がしのぎを削った今回のレースでは、多くの選手がジェットストリーム600を選ぶ中、ウエーブチョッパーやマジェスティ600といった個性的なマシンで挑む選手もおり、見応え十分な熱戦となった。そして見事優勝を飾ったのは大塚選手です。3ラウンドにわたって高得点を叩き出し周囲を圧倒。ブイカットによる3度の減点があり、総合結果が気になるところでしたが最終得点は850点。次回から大塚選手には試練として-100点のハンデが課せられます。そして、第40回/41回/42回と3連覇を飾っていた高山選手は、惜しくも今回2位という結果に。続く3位には他の選手がブイカットで減点を重ねる中、ミスなく着実にポイントを重ねた鈴木選手が堂々の表彰台入りを果たしました。

第2位高山 博文第1位大塚 栄作第3位鈴木 健矢

Pos.氏名船体
1大塚 栄作ジェットストリーム600
2高山 博文ジェットストリーム600
3鈴木 健矢ジェットストリーム600

EP-OP(オープン)クラス


EP-ST (ストック) クラスで経験を培った後、次のステップアップに最適なのがEP-OP (オープン) クラスです。
このクラスの真髄はブラシレスモーターが解禁されるのと、4セルLiPoバッテリーが解き放つ圧倒的なパワーにあります。最高速度も約70km/hに達し、その加速力も異次元。直線での猛加速のままコーナーへ突入することは難しく、単なるスピード競争ではなく繊細なアクセルコントロールが勝敗を分けます。

このクラスにエントリーしたのはベテラン勢を含む10名の選手たち。レース後の結果が面白いことになり、なんと3名もの選手が総合825点の同ポイントに!しかし、同ポイントの場合、最終的な順位は3ラウンドの最高順位によって決まるため、松尾選手と伏木田選手が同着1位。土方選手は惜しくも同ポイントながら3位という結果になりました。

第1位松尾 淳二 / 伏木田 基弘第3位土方 和真

Pos.氏名船体
1松尾 淳二ジェットストリーム888VE
1伏木田 基弘PURSUIT
3土方 和真ジェットストリーム888VE

EM クラス


電動ボートの頂点JMPBAのEMクラスに準ずるクラスで、他のクラスのような京商製の船体のみという制約から解き放たれた多様性が最大の魅力。
そして、このEMクラスの特徴はブラシレスモーターと6セルLiPoバッテリーが解き放つ桁外れのパワー。最高速度は約80km/hを超え、水面を切り裂くその疾走感は観る者すべてを圧倒。京商マリンカップはもちろん、国内電動ボートレースにおける最高峰の戦いが繰り広げられます。

そんなハイスピードレースで、見事1位に輝き総合優勝を果たしたのは、全日本の周回レースでも3位入賞するほどの腕前の鈴木選手。彼はEP-STクラスでも上位入賞を果たすなど、その実力を存分に発揮しました。続く2位には、第1ラウンドの25点が響き、圧倒的な速さを見せたものの総合825点となった小野田選手がランクイン。そして3位には、ブイカットによる-100点減点が大きく影響してしまった松尾選手が725点で入賞となりました。

第2位小野田 浩一第1位鈴木 健矢第3位松尾 淳二

Pos.氏名船体
1鈴木 健矢PURSUIT
2小野田 浩一M32
3松尾 淳二PURSUIT

650クラス


650mmサイズのフォーチューンによるワンメイクレースで、手軽さの中に宿る奥深さが魅力のクラス。
小さい船体は微風では進まず、強風ではコントロールが困難を極めることから、自然の厳しさを真正面から受け止める奥深いクラスでもあります。自然を味方につけるか、あるいは翻弄されるか、その狭間で繰り広げられる駆け引きがフォーチューンの醍醐味と言えます。

今回のレースでは650クラス常連の長谷川選手と林選手による一騎討ち。まさに一対一の真剣勝負となりました。このクラスは完走すること自体が難しいこともあり、その厳しさが如実に表れたのが最終の3ラウンド目でした。両者マシントラブルや強風の影響で両者とも出走不能という結果に終わったのです。しかし、1ラウンド目と2ラウンド目でしっかり完走し、冷静にポイントを積み重ねた長谷川選手が見事優勝を飾りました。

第1位長谷川 克也

Pos.氏名船体
1長谷川 克也フォーチューン612Ⅲ
2林  彰芳フォーチューン612Ⅲ

SW(シーウインド)クラス


全長約1mにも及ぶシーウインドによるワンメイクレースで、その圧倒的な存在感と、風を巧みに捉える優雅な走りが最大の魅力。
そよ風から吹き荒れる風まで、あらゆる状況下で風を効率的な推進力へと変え、水面を滑るように疾走します。広大なセール面積が微風時のセーリングを力強くサポートし、その巨体がグングン加速する様は圧巻の一言。

波乱のレースには6名の選手がエントリー。コースの場所によって風の状況が大きく変化する予測不能の展開となりました。特に注目すべきは、650クラスでもその実力を見せつけた長谷川選手と、同じく高い技術を持つ横田選手が同ポイントで並びW優勝。さらにレースを面白くしたのは、石田選手と中村選手もまた同ポイントで並び、2人の3位入賞者が生まれました。

第1位長谷川 克也 / 横田 茂夫第3位石田 直克 / 中村 敏行

Pos.氏名船体
1長谷川 克也シーウインドカーボン
1横田 茂夫シーウインド
3石田 直克シーウインドカーボン
3中村 敏行シーウインド

次なる舞台は、2025年9月21日(日) 静岡県御殿場市の東山湖フィッシングエリアにて「第44回 KYOSHO マリンカップ in 東山湖」が開催されます。
和やかな雰囲気の中で繰り広げられる、"ゆる〜い"レースが最大の魅力。もちろん、真剣勝負の瞬間もありますが、初心者の方でも気兼ねなく参加できるのがマリンカップの魅力です。
レース参戦はもちろん、間近での観戦も大歓迎! 皆様のエントリー、そしてご来場を心よりお待ちしております。