京商グランプリ 第30回 京商グランプリ in SPL1


雨に泣いた伝統のレース。下高章選手が栄冠を獲得!

 1/8GPレーシングカーのレースとしては、日本でもっとも歴史ある京商グランプリも、今回で第30回を迎えた。初期の本グランプリはR/Cカーの黎明期と重なっていたため、回数イコール年数とはならないが、それを割り引いても30年近くの歴史を誇っている。

 今回も参加車両メーカーを問わず、門戸を広げて楽しめる大会として開催。従って出場選手は伝統のレースに希望すれば参戦できるというオープンなものとなった。加えてチームKYOSHOのワークスチームより4名が参加し、一般参加選手がコミュニケーションをとれる貴重なチャンスとして楽しさを添えた。遠くアメリカからも、15回もの全米チャンピオンに輝いたJosh Cyrul(ジョシュ・シール)選手が参戦してくれた。

 12月の相模湖SPLサーキットは、森深き山中にある事もあり、底冷えのする寒さ。折しも雲行きも怪しく、まったく太陽が姿を現さぬ曇天の中でレースはスタートした。

 参加選手28名が4組に別れ、5分間の予選を各3ラウンド行い、下位の選手は次の1/4ファイナルで15分間戦うというスケジュール。1/4ファイナルはA、Bの2ブロックを行い、それぞれで上位3位に入った計6選手を加えての1/2ファイナルA、Bが行われる。さらにその上位3名ずつの6選手が勝ち上がり、予選上位選手と30分のグランドファイナルで戦うというシステムだ。予選でふるわなくても、勝ち上がってゆけばグランドファイナルへの夢をつなげるという、最後まで目を離せない展開だ。

 予選の走りはやはりワークス勢の速さが際立っている。ほとんどの選手が18秒から19秒台で競う中、下選手が早くも17秒前半で1ラウンド目を席巻。続く古川選手、Josh選手も17秒台で上位を占めてゆく。

 注目されたのが小学校3年生の小林一葵選手。下選手と同じ組で出走し、コンスタントに18秒台を出してゆく手堅い走りに、大人達は顔色を失ってしまうほど。踏み台に立って通り小さな体で身を乗り出し、まったく物怖じせずに走る姿は、将来の大器を感じさせるものであった。

 順調に予選は進み、予選最終ラウンドの3組目のヒートが熱を帯びてきたその時、ぽつりぽつりと雨が降り出してきた。常設コース故に長年に渡って染みこんでいるオイル分が浮かび上がり、路面は途端にズルズル状態。各車コントロールが難しくなってスローダウンしたところで、オフィシャルよりこのヒート無効の判断が下った。すでに終えている1〜3組とのイコールコンディションが保てないため、予選は2ラウンド目の結果で順位を確定するという結論が下されたのだ。

 昼食をはさみ、天候状態を続行か否かを協議したが、雨足は次第に強まり、中止を余儀なくされる事態となってしまった。レースは予選2ラウンド目の成績で確定され、1位は前年に続き下高章選手が獲得。2位に進境著しい古川賢選手、そして3位がJosh Cyrul選手というリザルトで終了した。その後表彰式を終えると、雨中にもかかわらず3選手のシャンパンファイトも行われ、30回の区切りを迎えた京商グランプリは終了した。来年度も開催が決定している本レースは、ご紹介したように誰も参戦して腕を競える他にない1/8レーシングカーのレースだ。ぜひともみなさんの参加をお待ちしたい。

 

京商グランプリの生き字引、元日本チャンピオンの当社岸清勝が今回の競技委員長を務めさせていただきました。
 
京商ワークスドライバー4名が参戦した。右からアメリカから参戦したJosh Cyrul(ジョシュ・シール)選手、下高章選手、古川賢選手、宮下崇選手。

コンクール・ド・エレガンス賞を受賞した杉本 明 選手。
 
小林一葵選手は小学校3年生。踏み台に乗ってマシンをコントロール。お父さんを助手に従えて、安定した走りを披露した。将来有望な要注目選手だ。

ご覧の様なコース状態に・・・。雨はみぞれ、さらに雪へとなっていた。これではR/C界のフォーミュラ カーといわれる1/8オンロードレーシングカーは性能を発揮できない。さらには危険ですらある。
 
 
 
※エボルバ2005の詳細情報>>


■参加選手

チームKYOSHOインターナショナル

  Josh Cyrul
ジョッシュ・シール(アメリカ)
■全米選手権(獲得多数の為、省略)
■2003年 1/8 GPレーシング世界選手権 第8位(予選TQ)
■2004年 1/1010GPツーリング世界選手権 第4位
アメリカを代表するトップドライバー。 GP、EPを器用にこなす。又、業界屈指の理論派としても良く知られており、自ら3D CADを駆使して、デザインもこなす。
  Takaaki Shimo
下 高章(日本)
■1/8GPレーシング全日本選手権7勝(88,89,93,96,01,02,04)
■2003年 1/8 GPレーシング世界選手権 第3位
■2004年 1/1010GPツーリング世界選手権 第2位
冷静、沈着なレースマネジメントで、常にトップの座を守り続けるドライバー。シャシーセットにも長けており、1/8、1/10の開発ドライバーも務める。


チームKYOSHOジャパン

  Takashi Miyashita
宮下 崇
■1/8 GPレーシング全日本選手権ファイナリスト
長い経験に裏打ちされたセッティング理論で、EVOLVAを支えるトップドライバー。エンジン、車体はもとより、エアロダイナミクスにも熟知しており、童夢S-101Hbも手がけた。FW-05シリーズの設計者でもある。
  Ken Furukawa
古川 賢
■1/8 GPレーシング全日本選手権ファイナリスト
■2004年 1/10 GPツーリング世界選手権第5位
若手のホープ。1/10世界戦でも好成績を収め、全日本もファイナル常連。 関東のシリーズ戦、JRCCでも常に上位に名を連ねる。父のノウハウを引き継ぎ、今まさに飛躍の時を迎える。